世界中のアイドル、ジンベエザメの生態
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ジンベエザメとは、英語ではWhale shark (ホエールシャーク・直訳で鯨ザメ)とよばれ、魚類の中では最大の大きさの生き物です。勘違いしがちですが、鯨は哺乳類なのでここの魚類には含まれません。サイズは大きいですが、動きは遅く通常の遊泳速度は時速4キロしかありません。食べ物もオキアミという、エビに似たプランクトンや小魚、海藻を食べます。食事の仕方が独特で、プランクトンの多い海面付近に体を垂直近くまで方向け、大きく口を開けて海水ごと吸い込みます。吸い込んだ海水の中からプランクトンだけを濾し取り海水は鰓裂(さいれつ)と言われるエラから排出します。ジンベエザメは、1日で25メートルプールの4杯分の海水を吸い込むそうです。水族館で観察するときはぜひ、食事シーンを見て欲しいです。
ここでは、日本各地のジンベエザメが見られる水族館や海外の水族館をご紹介します。
ジンベエザメのいる水族館はこちら
美ら海水族館(沖縄)
沖縄の美ら海水族館は世界で初めてジンベエザメの飼育に成功した水族館です。2016年の11月から、世界初の飼育下におけるジンベエザメの繁殖を試みるため、大型水槽に今まで3匹(成熟オス1匹、未成熟メス2匹)でしたが、オス1匹、メス1匹に変更、ゆとりある水槽にし成長を促進、繁殖へ繋がるよう試されています。
名称 | 住所 |
美ら海水族館 | 沖縄県国頭郡本部町石川424 |
ジンベエザメの名前 | 大きさ・年齢 |
ジンタ |
オス8.7メートル5.5トン(2017年1月現在)、1995年から飼育開始 |
名無し(メス) |
体長8メートルあり2008年4月から飼育されていましたが2021年6月17日に死去。メスとしては国内で最も長い13年の飼育期間でした。飼育前からアゴの骨格に異常があり成長とともに変形し死去する1ヶ月前から餌が食べれなくなっていたそうです。 ※美ら海水族館はジンタの例外を除き命名しないポリシーがあります。 |
名無し(メス) | 海上生簀へ移動 |
海遊館(関西)
大阪にある水族館で水槽の大きさは世界で上位5位になる最大級の水族館です。美ら海水族館に続き日本で2番めにジンベエザメの飼育をしています。海遊館はジンベエザメが6メートル程に成長させ、また自然に帰す活動をしていますので、オスが海くん、メスが遊ちゃんと同じ名前が代々受け継がれています。
名称 | 住所 |
海遊館 | 大阪府大阪市港区海岸通1丁目1−10 |
ジンベエザメの名前 | 大きさ・年齢 |
遊ちゃん(メス)4代目 |
2014年8月から飼育開始 体長6.05メートル 体重1600キロ |
海くん(オス)8代目 |
2019年10月から飼育開始 体長4.02メートル 体長700キロ |
大くんは2011年7月に海へ戻されました。
7代目海くんは大きく成長したため2019年10月に海へ帰されました。8代目海くんは高知県沖で捕獲されました。
のとじま水族館(北陸)
石川県能登島にある水族館で2010年8月より国内4番目のジンベエザメの飼育を開始しています。のとじま水族館の水槽の水深は6メートルのジンベエザメを飼育するには浅く、ジンベエザメが餌を食べる際に垂直になるとき底に当たってしまうこともあり、6メートル近くまで成長した場合は、自然に戻す方針です。2019年10月にメスのイオリとオスのトトベエの2匹が成長したため、2匹とも能登沖へ戻し、その後、珠洲沖の定置網に迷い込んだスズベエと氷見沖の定置網に迷い込んだナナベエを水槽に入れました。
のとじま水族館では、ジンベエザメが定置網に迷い込んだときに、漁師さんから連絡が来るようにお願いして、ジンベエザメの確保に力を入れているそうです。
2024年1月に発生した能登半島地震による被害を受け飼育されていたハチベエとハクが残念ながら亡くなりになりました。
名称 | 住所 |
のとじま水族館 | 石川県七尾市能登島曲町15部40 |
ジンベエザメの名前 | 大きさ・年齢 |
イオリ(メス) 由来は庵町で入網したため |
2015年10月から2019年10月 4メートルだった体長が5.8メートルまで成長したため、海へ帰しました。 |
モモベエ(オス) |
2012年7月から2016年10月 4メートルだった体長が6メートルまで成長したため、海へ帰した。 |
オトベエ(オス) |
2012年9月から2014年9月 4.5メートルだった体長が5.8メートルまで成長したため、海へ帰した。 |
トトベエ(オス) 由来は10月10日に入網したため |
2017年10月から2019年10月 4.6メートル |
スズベエ(オス) |
2019年10月23日搬入 約5.5メートル 2019年10月7日に珠洲沖で捕獲 2022年9月28日に海へ帰す |
ナナベエ(オス) |
2019年10月21日 約4.6メートル 2019年10月8日に珠洲沖で捕獲 2022年9月29日に海へ帰す |
ハチベエ(オス) |
2022年8月に七尾市庵町の定置網に入網 約3.9メートル 2022年9月28日に水槽へ搬入 2024年1月9日能登半島地震によるろ過設備の故障により亡くなる |
ハク(メス) |
2022年8月に志賀町百浦の定置網に入網 約4.1メートル 2022年9月29日に水槽へ搬入 2024年1月10日能登半島地震によるろ過設備の故障により亡くなる |
いおワールドかごしま水族館(九州)
いおワールドかごしま水族館は水量1,500トンの大水槽でジンベエザメを飼育しています。ただ大人になったジンベエザメは体長10メートルを超えるため、この水槽では飼育することが出来ません。いおワールドかごしま水族館では5.5メートルまたは5.8メートル達する前に海へ帰すため、野生へ復帰する訓練を実施したうえで海へ帰す「かごしま方式」を取り入れています。
1997年の開館時にジンベエザメを展示する予定でしたが、3月5月と相次ぎ亡くなり、開館時はジンベエザメは不在でした。初代のユウユウは、2000年11月から飼育を開始し、歴代ジンベエザメの名前は「ユウユウ」と名付けられて現在は7代目になっています。7代目ユウユウは、体長が5メートルを超え2017年8月に海へ帰されました。
2018年6月26日に、南さつま市沖の海上イケスで蓄養していたジンベエザメを、いおワールドかごしま水族館の黒潮水槽へ移動させ、八代目ユウユウとして飼育を開始しましたが、9月に海へ帰されました。本来の予定では、翌年の夏に帰す予定でしたが、9代目ユウユウが捕獲されたため予定が変更されました。一時的ですが、台風接近のため9代目ユウユウの水族館搬入が早まり2匹が黒潮水槽で同時に泳ぎました。
2018年9月に、南さつま市坊津町沖の定置網にかかり捕獲されたジンベエザメを、通常1ヶ月ほど海のいけすで餌付けし水族館に運びますが、台風が接近していたため、急遽、黒潮水槽へ搬送されました。
ライブカメラが設置されていて9:00から21:00までの間はジンベエザメのライブ映像が見られます。ジンベエザメのライブカメラ
名称 | 住所 |
いおワールドかごしま水族館 | 鹿児島県鹿児島市本港新町3番地1 |
ジンベエザメの名前 | 大きさ・年齢 |
初代ユウユウ(オス) |
2000年11月から飼育開始 2002年8月海へ帰す
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二代目ユウユウ(オス) | 2002年7月から飼育開始 2005年8月海へ帰す |
三代目ユウユウ(オス) | 2005年7月から飼育開始 2007年7月海へ帰す |
四代目ユウユウ(オス) |
2005年7月から「ゆう太」として飼育開始 2007年7月四代目ユウユウを襲名 2009年8月亡くなる |
五代目ユウユウ(オス) |
2009年8月から飼育開始 2011年9月海へ帰す |
六代目ユウユウ(オス) |
2011年8月から飼育開始 2014年11月亡くなる |
七代目ユウユウ(オス) |
2015年8月から飼育開始 2017年8月海へ帰す |
八代目ユウユウ(オス) |
2018年6月から飼育開始 2018年9月海へ帰す |
九代目ユウユウ(メス) |
2018年9月から飼育開始 |
茨城・アクアワールド(関東)
都心の方がジンベエザメを見たいとき、現在では飼育している水族館は関東にはありません。しかし大洗町のアクアワールドが2019年12月にジンベエザメの飼育に乗り出す方針を発表しました。ジンベエザメは成長すると10メートルを超えるためアクアワールドでは、日本最大級の新しい水槽を設置する計画です。2020年に調査とジンベエザメの捕獲を行い、2023年頃に展示できるよう計画を進めています。
名称 | 住所 |
横浜・八景島シーパラダイス | 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8252−3 |
横浜・八景島シーパラダイス(関東)
都心の方がジンベエザメを見たいとき、一番近場で見れるのが、八景島シーパラダイスでした。しかし、2016年10月にジンベエザメの七海(ななみ)が亡くなりました。
2018年10月から千葉県館山市の坂田漁港の定置網に迷い込んでしまったオスのジンベエザメの飼育が開始されましたが、2019年2月に亡くなりました。保護時は全長4.5メートルで、5.5メートルを超えると施設の水槽では、飼育が困難になるため、近々外洋に放流される予定でした。関東地区で唯一ジンベエザメが見える水族館として人気でしたのでとても残念です。
名称 | 住所 |
横浜・八景島シーパラダイス | 神奈川県横浜市金沢区八景島 |
ジンベエザメの名前 | 大きさ・年齢 |
七海(メス) |
2010年11月から飼育開始 2016年10月に死去 5.2メートルから6.9メートルまで成長 |
八兵衛(オス) |
2010年10月から飼育開始 2014年7月に死去 4.6メートルから6.3メートルまで成長 |
名前未定(オス) |
2018年10月から飼育開始 4.5メートル 2019年2月に死去 |
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